プレスリリース
2020年不動産市況、コロナ禍戦線で異常あり!?「住みかえ」ニーズと「価格が上昇したエリア」、実際の動きは?-「マンションレビュー」のデータで振りかえり-2010年より運営しているマンション情報サイト「マンションレビュー」の各種データからリアルに考察!
「不動産×WEB×ビッグデータ」の領域で、さまざまな不動産テックサービスを開発する株式会社ワンノブアカインド(本社:東京都港区、代表取締役社長:川島 直也、以下当社)は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下でさまざまな変動があった2020年、当社が運営するマンション情報サイト「マンションレビュー」でのデータ動向や登録会員へのアンケート結果から、コロナ禍での「住みかえ」への意識や行動、実際の相場について、どのような動きが見られたのかをまとめました。
株式会社ワンノブアカインド運営「マンションレビュー」の各種データで振りかえる、2020年不動産市況
【全体サマリー】
・都内でコロナ禍での住みかえを検討した人は23.4%。うち72%は実際に引っ越す・物件を調べて検討するなどのアクションを起こした。*1
・コロナ禍で住みかえを決めた人の65%は、竣工を待たずにすぐ入居できる「中古マンション」を選択。*1
・住みかえニーズのひとつの指標として、全国のマンションの「騰落率」とエリアの「坪単価」を2020年3月度と9月度で比較。いずれも全国平均では9月度のほうが上回っており、相場の下落はなく住みかえニーズの落ちこみはないと推測可能。*2
・全国の「町名」での騰落率では、上位にベッドタウン、住宅街がランクイン。通常、相場が景気と連動する場合は、まず都心部での価格高騰から全体の価格が上昇する、いわゆる「『の』の字現象」が多く見られるが、今回は、テレワークの普及によって部屋数や広さを求める傾向から、都心より少し離れたエリアでの需要が高まったことが一因と考えられ、コロナ禍ならではの動きといえる。*2
【コロナ禍での住みかえに対する意識変化】
2020年10月に東京都内在住のメルマガ会員に対して実施した意識調査アンケート*1では、いわゆるコロナ禍での「新しい生活様式」への変化に伴い、「引っ越しをした・引っ越しを検討した」という人は全体の23.4%。そのうち34.5%は実際に「引っ越した」「引っ越しが決定した」と回答。また「物件を調べて引っ越しを検討中」との回答も37.5%と、検討者の72%が何らかのアクションを起こしていた。
実際に引っ越しが決まった人の選択物件は、「中古マンション」が65%。次いで「新築マンション」が18.1%。引っ越しを検討した際に、竣工を待たずにすぐ入居できる点もあり、中古マンションへのニーズが高かった。
※2020年10月のアンケートよりグラフを抜粋
【コロナ禍での相場変動】
コロナ禍での住みかえ需要について、中古マンションの「騰落率」(新築時の販売価格からの価格差)「坪単価」を指標として見てみると、2020年3月度と9月度の比較*2で、以下のような傾向があった。
<全国 地域別騰落率>
全国的に、コロナ禍にも関わらず坪単価は上昇。中国地方のみマイナス0.01%となっているが、ほぼ横ばいといえ、全国平均での騰落率は1.15%。相場の下落傾向は見られず「住みかえ需要の落ちこみはない」との推測が可能。
<都道府県別騰落率>
調査対象となるマンション件数が200件以上ある14都道府県の騰落率を比較してみると、福岡県の2.39%を筆頭に上昇傾向。唯一下落した神奈川県においてもマイナス0.20%でほぼ横ばいといえ、主要都市圏での消費者動向には落ちこみがないといえる。
<全国/東京 町名別騰落率>
・全国で取引事例が月間で10物件以上あった「町名」(例:東京都港区虎ノ門)において、2020年3月度と9月度の比較で騰落率が「上昇したエリア」「下落したエリア」の割合は、「上昇」が59.6%。一定以上の取引件数のあるエリアにおいては、約6割で価格が上昇傾向にあった。
・騰落率上位には、テレワークの普及による部屋数や広さを求める需要の高まりからか、都心から少し離れたエリアのいわゆるベッドタウン、住宅街と呼ばれるエリアがランクイン。通常、相場が景気と連動して上昇する際には、都心部での価格高騰を皮切りに、城南エリアへ南下してそこから千葉方面まで「の」の字の流れで価格上昇が波及する「『の』の字現象」の傾向が強いので、コロナ禍ならではの動きと推測できる。
当社が運営する「マンションレビュー」へのアクセスは、2020年も引き続き伸長しており、2020年12月28日現在での年間訪問ユーザー数は約1,190万人で、前年同期比120.28%、PV数も同110.02%*3と、コロナ禍でも落ちこむことなく推移。12月16日に公開を開始した新サービス「マンション将来価格予測サービス」も好評で、新規ユーザー、会員登録ともに増えています。
新型コロナウイルス感染症拡大の生活への影響は2021年も続くと思われますが、「住みかえ」ニーズやエリア・希望物件の条件の変化など、不動産取引市場におけるリアルな動向を、当社の持つビッグデータ×AIから算出される各指標やユーザーのアクセス傾向、40万人を超える登録会員へのアンケートなどを通して、引き続き発信してまいります。
*1 2020年10月実施「マンションレビュー」都内在住会員対象のアンケート調査より。有効回答数2,271件。
*2 2020年11月当社調べ。(保有データより算出)
*3 2020年12月Google Analyticsより。
マンションレビューhttps://www.mansion-review.jp/